歌の投稿第八段。今回は自作の歌です。
「勿忘草」
孤独な一輪の花の儚さを表した歌です。
花は摘むとすぐに枯れてしまいます。 大事に大事に丁寧に育てたとしても、命は短い。 さらに「私を忘れないで」という花言葉を持つ自身のなさが、孤独の淋しさ、儚さを表し、積み上げた人に対して恋心や希望を抱き「忘れない」と決めて枯れてゆく結末です。
勿忘草
月の見える夜の真下で
一人生まれた私の名は
誰も知らない一輪の花
小さな風に揺れる
凍える夜が明け
誰かが私を摘みあげた
優しい笑顔照らす光
運命が変わる時
あなたの笑顔だけが
私の中で生き
せめて忘れないように
名前を教えて
澄み切った空の光に
最後の時を過ごして
私は眠るように そして
そっと俯いてゆく
忘れないようにただ
あなたの心に
刻まれるように名付けた
私は勿忘草
運命が変わる時
自然に生きる植物たちは、人間の都合から運命が変わります。
切り落とされてクリスマスツリーになる木や
人間に踏まれて命を落とす雑草や
生まれた時からお店に並ぶお花もあります。
そんな一輪の花が人の手によって摘み上げられた途端
「自然の中で咲いていた一輪の花」から
「人の手によって水を与えられ育つ」運命に変わります。
勿忘草はそんな運命をすぐに受け入れ、自分を摘んだ人によって翻弄される。最後には自分を忘れないでほしいと願うほどに。
とても素直で従順な勿忘草のネガティブでもあり儚い願いを込めた心を表しています。
